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10/26〜28[競走部]第96回日本陸上競技選手権リレー競技大会

日本選手権リレーで4継・マイル制覇!創部初のグランドスラム達成!
顕示した、『短距離の早稲田』


 10月26日〜28日、日産スタジアムにて行われた第96回日本陸上競技選手権リレー競技大会。
早稲田は4×100mR(4継)、4×400mR(マイル)ともに悲願の優勝を果たし、「日本一の早稲田」を見せつけた。
関カレ・全カレ・日本選手権リレーでの両リレー3冠は創部史上初となる。有終の美を飾ったメンバーたちは、最後まで笑顔を絶やさなかった。



 

4×100mR表彰式。写真左下から逆時計回りで1走九鬼・2走竹下・3走梶・4走三原

 過去にはこの大会で10連覇を果たしたこともある早稲田の4継が、3年ぶりに表彰台の頂点に帰ってきた。
 予選では「とにかく決勝へ行く」と、堅実にレースを運ぶ。オーダーは、九鬼巧(スポ2)―竹下裕希(スポ2)―梶将徳(スポ4)―三原浩幸(スポ2)。狙い通り全体のトップのタイムで駒を進めた。
 そして決勝。走順そのままに臨んだ早稲田は1走・九鬼からアンカー・三原まで一度も首位を譲らずゴールへ。タイムの39秒53には「物足りない部分があった」ものの、2位以下と差をつけた圧巻の優勝だった。

 今年の4継チームにとって、優勝した3大会はそれぞれの持つ意味が異なる。
「関カレは2・3年生の中軸で、全カレは1・2年生の若いチームで、そして日本選手権リレーは4年生が引っ張る形で成し遂げた優勝(九鬼)」なのだ。
単なる3冠ではない。早稲田の短距離が層を増してきたことを証明した3冠だった。
 そして更なる歴史を作るため、早稲田の伝統を守るため、早稲田・4継の戦いはこれからも続く。 「早稲田記録の樹立を楽しみに(梶)」できる日も遠くはなさそうだ。



 

4×400mR表彰式。写真左下から逆時計回りで1走牧野・2走竹下・4走野澤・3走浦野。

 一方のマイルは波乱の幕開けだった。
予選は、牧野武(スポ4)―永野佑一(スポ2)―浦野晃弘(スポ4)―野澤啓佑(スポ3)。牧野が得意の後半を欠いて5番でバトンを渡すと、続く永野も4位争い。決勝進出に一抹の不安がよぎったが、そこで流れを立て直したのが浦野だった。浦野はすぐに3番手につけると、バックストレートで2位に、そしてラスト100mでトップに躍り出る力走。アンカー・野澤が受け継ぎ、無事トップで通過を果たす。
応援に駆け付けた部員が安堵する中、予選を良い形で終えることのできなかったメンバーには「怖さ」が浮かんだ。しかしいつまでも引きずるわけにはいかない。決勝に向けてしっかりと切り替えを行った。

 決勝では2走を永野から竹下に変更。スタートとともに牧野が勢いよく飛び出した。「走っているときは何も覚えていない」程の感覚で力を絞り、4〜5番手で竹下にバトンパス。トップを独走する中京大の後方で、竹下は2番手まで浮上するも、再び捉えられて4番に後退。しかし粘りに粘り、早稲田を含む4校が同率2位で3走へバトンを渡した。3走・浦野はぐんぐんと加速し、バックストレートで単独2位へ。1位・中京大との差をじわじわと詰める。
運命はアンカー・野澤に託された。野澤は200m付近で後方から中大の追い上げに遭い、一時は後退するも、ぴたりと後ろにつくとそのまま中京大に追いつき優勝争いを展開。さらには日大も加わり4校による大混戦となる。この混戦からラスト50mで抜け出したのは野澤。「あそこは意地が出た」と、後続を突き放して見事優勝を決めた。

 創部史上初のマイル3冠、そして4継・マイルでのグランドスラム達成の瞬間だった。浦野がまっさきにトラックへ飛び出すと、メンバーが次々に抱き合う。しっかりと肩を組む4人から見えた安堵の表情。スタンドの部員からは惜しみない拍手が送られた。 「この3冠を自信に変えて、記録を狙ってほしい」と浦野は新たなマイルチームに期待を寄せる。



 

 グランドスラム達成に、応援へ駆けつけた部員も沸いた。

 「両リレーでの3冠は今年の初めからチームの目標としてきた。それが達成できて最高」とメンバーは勝利の喜びを口にするが、そんな強いチームを作り上げることができたのは4年生の力があったからこそ。
今年度そのチームを牽引し続けた4年生の一人、牧野は最後にこう付け足した。 「もちろん後輩のおかげでもあります。僕らの代は世界の舞台で走ることができた選手もいませんでしたから。それでも4年生全員で1年間引っ張ってきたチームが創部史上初の3冠を成し遂げることができた。4年生としてなにか部に残せたことが何よりも嬉しく思います。」

 チームを鼓舞する4年生と、その想いを背中から感じ取り、「先輩に花を持たせたい」と奮起する後輩。この両者が揃ってこそリレーが成立し、短距離の早稲田が起動する。そう感じさせられた白熱の3日間が終了し、今年度のトラックシーズンは幕を閉じた。そして来年度への更なる飛躍に向けて各々が鍛練の冬を迎える。

【コラム:『短距離の早稲田』を牽引した3人の4年生】
☆「一意専心」を貫き、3年越しの4継3冠 <梶将徳>
☆創部初快挙は仲間と共に <浦野晃弘>
☆飛躍の原点で2年ぶりの優勝 <牧野武>

※選手コメントは各リンクからご覧になれます。
九鬼巧(スポ2) 竹下裕希(スポ2)  梶将徳(スポ4)  三原浩幸(スポ2)
牧野武(スポ4) 浦野晃弘(スポ4)  野澤啓佑(スポ3)  

関連URL
早稲田大学競走部公式サイト

(TEXT、PHOTO=矢野真由実)

 


 
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